「1型糖尿病」とは
1型糖尿病(Type 1 Diabetes Mellitus, T1DM)は、膵臓のβ細胞が自己免疫反応によって破壊され、インスリンの分泌が極端に低下または完全に停止することにより発症する慢性疾患です。この疾患は通常、幼児期から若年成人期にかけて発症しますが、どの年齢でも発症する可能性があります。
インスリン分泌の高度低下、あるいは枯渇を認め生涯にわたるインスリン治療が必須ですが、インスリンを正しく打てばそれ以外の生活については特に制限はありません。合併症のコントロールが良好であれば妊娠、出産も可能で多くの1型糖尿病患者さんがご出産を経験されています。

1型糖尿病の原因
1型糖尿病の主な原因は、免疫システムの異常により、自己の膵島細胞(β細胞)を異物と認識して攻撃する自己免疫反応です。具体的な原因はまだ完全には解明されていませんが、遺伝的要因と環境的要因が複雑に絡み合っていると考えられています。
1型糖尿病の分類 
1型糖尿病はβ細胞の破壊速度によって、以下の3種類に分けられます
1型糖尿病の治療
患者は生涯にわたってインスリン注射を必要とします。現代の医療技術では、インスリン注射を代替する方法はまだ見つかっていません。
「低血糖」に注意しましょう
1型糖尿病の患者さんにとって、低血糖(Hypoglycemia)は特に注意すべき重要な問題です。適切な管理と予防策を講じることで、低血糖のリスクを最小限に抑えることができます。
○ | 過剰なインスリン投与 |
○ | 食事摂取の遅れや不足 |
○ | 激しい運動 |
○ | アルコール摂取 |
低血糖の頻度が多い場合や、重度の低血糖を経験した場合は、必ず医師に相談し、治療計画の見直しを行います。教育を受けた医療チームと連携し、適切な指導を受けることで、より効果的な糖尿病管理が可能となります。 低血糖を予防し、適切に対処することは、1型糖尿病患者の健康維持において非常に重要です。日常生活の中でこれらの対策を取り入れ、健康な生活を送るために注意を払ってください。