血圧とは
血圧が正常範囲を超えて高くなる状態を指します。これは、心臓や血管に過剰な負担をかけ、長期的には心臓病、脳卒中、腎臓病などの深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。

高血圧の定義 
血液が血管壁にかかる圧力が通常よりも高い状態を指します。 一般的に、血圧は収縮期血圧(最高血圧、心臓が収縮するときの血圧)と 拡張期血圧(最低血圧、心臓が拡張するときの血圧)の2つの数字で示されます。
正常血圧: 収縮期血圧が120 mmHg未満、かつ拡張期血圧が80 mmHg未満
高血圧: 収縮期血圧が130 mmHg以上、または拡張期血圧が80 mmHg以上
診察室血圧と家庭血圧 
診察室での血圧測定と家庭での血圧測定は、異なる環境で行われるために異なる結果を示すことがあります。診察室での測定では、医療従事者によって行われるため、専門的な技術と機器が用いられ、一度に正確な測定が可能です。しかし、一部の人々は「白衣高血圧」として知られる現象により、診察室での測定時に通常よりも高い血圧値が示されることがあります。これは、診察室での環境や医療従事者との対面がストレスや緊張を引き起こし、血圧を一時的に上昇させるためです。 一方、家庭での血圧測定では、患者自身や家族が血圧計を使用して測定します。家庭での測定では、患者が日常的な状態で測定するため、よりリラックスした状態で行われることがあり、その結果、通常の血圧値に近い値が示されることがあります。また、家庭での測定では、複数の日にわたって複数回測定することで、より正確な情報を得ることができます。
高血圧の原因について 
高血圧の原因は一次性(本態性)と二次性の要因に分類されます。 一次性の原因には遺伝的要因、生活習慣(高塩分食、肥満、運動不足、 喫煙、アルコール摂取)、年齢などがあります。二次性の原因には腎 臓疾患、内分泌障害、睡眠時無呼吸症候群、薬物の副作用などが挙げ られます。高血圧は複数の要因によって引き起こされるため、正確な 原因の特定が重要であり、適切な治療法が選択されます。
高血圧の治療について 
高血圧の治療は、生活習慣の改善と薬物療法が主なアプローチです。 生活習慣の改善には、塩分摂取の制限、バランスの取れた食事、定 期的な運動、体重管理、禁煙、アルコール摂取の制限が含まれます。 薬物療法では、利尿剤、ACE阻害薬、ARB、β遮断薬、カルシウム拮抗 薬などが使用されます。これらの治療法は患者の状態や反応に基づい て選択され、必要に応じて組み合わせられます。治療の成功には、患 者と医療提供者の協力が不可欠であり、定期的なフォローアップと血 圧のモニタリングが重要です。
生活習慣の改善 
ささいなことでもお気軽にご相談ください
○ | 利尿剤は、腎臓に影響を与えて尿中のナトリウムや水分の排泄を促し、血圧を下げます。例えば、チアジド系利尿剤やループ利尿剤があります。 |
○ | ACE阻害薬は、アンジオテンシン変換酵素(ACE)を阻害し、アンジオテンシンⅡの産生を抑制します。アンジオテンシンⅡは血管を収縮させ、血圧を上げる作用があります。したがって、ACE阻害薬は血管の拡張やナトリウムと水の排泄を促し、血圧を下げます。 |
○ | ARBは、アンジオテンシンⅡ受容体に結合し、その作用を阻害します。これにより、血管の収縮が抑制され、血圧が下がります。ACE阻害薬と同様の作用を持ちますが、ACE阻害薬とは異なる作用機序を持ちます。 |
○ | β遮断薬は、交感神経系のβ受容体をブロックすることによって心拍数を減少させ、心臓の負担を減らし、血圧を下げます。また、血管を拡張する作用もあります。 |
○ | カルシウム拮抗薬は、血管内のカルシウムイオンの流入を阻害し、血管を拡張させることで血圧を下げます。心臓の収縮力を抑制することもあります。 |